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初夏に想う

「どこそれの某、云々・・・ありゃ斯斯然然」聞き飽きた宴談。毎度と変わらぬ勝手な噂と評価、実の無い時間。憮然とした態度。子供の前で、「もう一つ寄こせ」とせびる浅ましき景色。この民度では人も町も後が栄えぬ。

片や大谷。野球の発展、育成の大義のため特に娑婆の贅や評価に目もくれず、日ハム時代は親へ給料を渡し、自分は月十万。自己の目標に向かって只管に精進する姿は誰をも魅了し、一切メディアに出ない明哲なる両親、誠にデキタ親である。同時に、個を育てる日本のスポーツ分野の改革と結果だけは素晴らしいものがある。この点のゆとり教育は良かったのか。

しかし、こうも人間の精神の骨格の差を知ると、ものの道理、ものの本質を教える幼い頃からの親や学校教育の肝心さは否めない。ノルマ先行の現学校課程に抗っても先に生きている者が道しるべを敷いて欲しい、という話をすると下を向く教員方。授業はいいからこっちへ来い、と叱られた風景が懐かしい。教え育くむことに親も他人もないのだが。

益々、個の時代へ。人を美しく見せる個性。個性は生き方に因る。才能は努力、環境、良い指導者があって開花する。多少の遺伝も必要か。大谷になれとは言わないが、まずは他人の噂話より自分の評価。有限な時間を大切に。人生の晩節の果報は日々の自分次第。他を慈しみ、分を弁える人には、本来誰でも成れように。

暑夏となります、お体ご留意なさって健やかにお過し下さい。

合掌

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